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厳重拘禁囚 鮎川壬姫10 処遇の報告編

10

午前と午後のそれぞれ1時間ほど、検査のために連れ出された以外は、
結局1日中、管理プラグの責め苦に耐えながら過ごしたことになる。
懲罰回数は、おそらく10回以上。
電源が安定供給されているからか、移送時と違い、ここでは1回の作動時間がかなり長い。
しかも「達した」瞬間に作動が止まるという高性能ぶりだ。
膣圧や、脈拍などから判断できる、特別なセンサーが組み込まれているのかもしれない。
いや、あるいはモニターしている葛城さん達が、手動で調整にあたっているのかも。
…考えるのはよそう。

懲罰衣から就寝衣への「着替え」が終わり、わたしはまた第1姿勢をとり点検を待つ。
新入調査房に入れられてから今日で3日目。
この2日は、調査や検査の連続。
それらの結果をもとに、今後の処遇が決定されることになっていた。。
各囚人の性格や体力、知能などに応じて、最適な懲罰計画が組まれるという。
その通達が今日の夜、食事後とされていた。
この不安な感覚は、判決前夜の拘置所内で味わったものと似ている。
違うのは、既に自分が囚人服を身につけているということ。

「A01番、チェック終了です」
早瀬さんのその言葉で、わたしは広げていた大腿部とスカートの裾を戻す。
かといって、特に何かをすることができるわけではない。
大きなため息をつき、目を閉じる。

以前の刑務所では、少なくとも独房内であってもある程度の自由が認められていた。
本を読んだり、ラジオから流れる音楽を聴くこともできた。
だけれど、ここには何もない。
ただ一つ許されていたのは、例の黒表紙の「心得」を熟読することだけ。
とうぜんそんな気分にもなれそうにない。
わたしは仕方なく、冷たいコンクリートの壁にもたれかかる。
午後の検査は体力測定だったために、かなりの空腹感に襲われる。

今朝と同じエビ味がいいな…。
そんなことを考えるだけで楽しくなってしまうのが、本当に滑稽だ。

そうこうしているうちに、食事の配給が行われた。
鉄格子の一番下にある差し入れ口からトレーに載せられて、囚人食が届けられる。
わたしはすぐさま後ろを確認した。
プレーン



…なんだ。
一番不味いやつ。
この囚人食のサイクルにも、一定の決まりというものがあるのだろうか。
今度じっくり考察してみよう。
ここにいると、本当にくだらないことを大げさに考えることができる。

「食事開始ー!」
あの号令は葛城さんだ。
わたしは囚人食と水を交互に流し込む。
味わう余裕もなく。というか味わいたくもないけれど。

そしてトレーが回収され、いよいよ通達の時間がやってきた。

「A01番、入ります」
わたしの独房に入ってきたのは2人。葛城さんと早瀬さんだった。
「今朝の予告通り、今後の処遇について通達を行います」
葛城さんがわたしの正面に立ち、そう告げた。
「…発言を許可するから、わからないことがあれば聞きなさい」
横から早瀬さんの声。
「…はい、わかりました」
わたしは軽く頷いた後、姿勢を正して葛城さんに向かい合った。
「まず今日の検査結果から。知能検査、体力検査においては特に問題点はありません。
特に前者の結果はかなり優秀と判断できるほどです」
まぁ当然だろう。正直にいうとかなり初歩的な問題ばかりだったから自信はあった。
かといって、この結果が処遇の善し悪しに繋がるとも思えないけれど…。
「それにくわえ、生育歴や犯行までの経過、前施設での素行などそれぞれを判断して…」
わたしは息を飲んだ。

「当面の間、あなたには『4等級処遇』が適当と判断されました」
葛城さんがわたしの名と処遇内容が書かれた通達書を広げる。
…4等級処遇。
確かそう、あの「心得」に書いてあった…。
わたしは必死に記憶の糸を辿る。
厳重拘禁にも等級があって、それによってかなりの処遇の違いがあるはず…。

「うん…、私達も上の判断にはちょっと疑問もある」
早瀬さんがわたしの隣に座り、肩に手をのせる。
「…は、はい…」
葛城さんも少し俯き気味だ。

…思い出した。
等級は1~4までに分かれている。

1が最高。
4が最低。

…つまりわたしに下された裁定は、最も下等級の処遇。


「ここだけの話、本当に心苦しいです。あなたの経歴や、ここに来てからの態度、
それらの点がもっと考慮されるべきだとも思いました」
葛城さんは、本当に同情するといった表情を見せる。
その表情から察するに、この処遇とはかなり過酷なものなのだろう。
横に座る早瀬さんは、組んだ足に肘をついて、溜息をついた。
葛城さんは続ける。
「けれど、決定されたことは残念ながら決して覆りません。あとはあなた次第。
少しでも上級の処遇を目指して日々の懲罰に耐えてもらいたい」

…いや、ここまできた以上、今さら最下級の処遇とされても、もう驚かない。
わたしは自分に下された裁定を嘆くよりも、目の前で本当に心配をしてくれた
二人の刑務官に感謝の気持ちを伝えることが大事だと思った。
浅く腰掛け直し、さらに背筋を伸ばす。
戒具の鎖をピンと張り、両太腿を開き、拘帯を視認できるような姿勢をとった。
第1姿勢だ。
いまは、この姿で、伝えたい。

「いえ…。こんなに心配してくれて…。初めてです。そういうの。嬉しい」

「「…え??」」
驚く二人の刑務官。
言葉が足りなかったかな。なにしろ上手く言葉が紡げない。
ほとんど片言。
口下手だな、わたしも。
やっぱり、ちょっとは動揺しているのかもしれない。

受け取った通達書には、拇印欄がある。
  <上記裁定に同意の場合に押捺せよ>
こう書いてある。
わたしは何かを振り払うかのように、右手の親指を押しつけてやった。
躊躇いはもうない。
「…押しちゃいました。わたしはこれからどうなるんですか?」

聞きたくはないが、聞かなければならない質問だ。


聞きたくはないが、聞かなければならない質問だ。
「明日になればわかることですが…」
葛城さんは口を濁す。
そこに早瀬さんが口を挟む。
「ミキさん、ああみえても不安なんだと思う。まだ時間もあるし、いいんじゃない」
葛城さんは軽く頷いた。
そしてひと呼吸を置き、ゆっくりと口を開く。

「明日の早朝、起床後に移房です。管理棟の最上階があなたの独房の場所です
その後は基本的に独房内と集中懲罰室との往復となります。」

葛城さんの説明は続いた。
正直、就寝前に聞くんじゃなかった、と思う。
これじゃあ、却って寝られそうにない。
驚かないと心に決めたのに、それももう挫けそうだ。
…まったく情けない。

簡単にまとめるとこうだ。
4級とは一番厳格な管理下に置かれ、ほぼ全日を懲罰的処遇とされる厳重拘禁囚。
それがわたしだということ。
囚人服は既に新入房で説明を受けたとおりだ。
週に1度の安息日を除き、午前と午後をそれぞれ2つのユニットに分けた懲罰執行が
行われる。1ユニットとはここでの単位時間で、120分。
主に午前中は独房内での懲罰執行。
様々な種類があるそうだけれど、昨日今日とこの新入房での待機中の処遇は
「A懲罰」と呼ばれるものと同等だったそう。

午後からは集中懲罰室へ。
ここでは大型の刑具を使用されるということらしい。
この集中懲罰室は、4等級囚のみが送られるという特別な場所ということも教えられた。

「………。」
移送の時の激しい苦痛、今日までの新入房での仕打ち。
思い返すのも辛い経験をした。
だけれど…、それらをも上回るほどの苛烈な懲罰が待ち受けている。
「4等級厳重拘禁囚」という身分。
それが…明日からのわたし。

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