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厳重拘禁囚 鮎川壬姫22 4等級棟安息日 早瀬さん絶好調&3人目の・・・?編 

22

「お姉ちゃん!」
リサの第1声はおなじみのものだった。
発声許可されているのかな…
などと余計な心配が浮かぶが、どうやら問題なかったらしい。

「…というわけで、日中のみですが仲良くしていなさい。会話は全て記録されているから
 十分に気をつけること、いいですね」
早瀬さんはリサの戒具をチェックし、独房の扉を閉じた。

いや、今は独房ではない。
この安息日だけは、このようにお互いに希望する囚人同士の雑居が認められているそうだ。
ということで、今回はわたしの”部屋”にリサを招く形となった。
ただし、わたしとリサの間には頑丈な鉄格子。
つまりわたしは独房の中のさらに”檻の中”にいる。
いつも午前中の懲罰を受けているスペースだ。

「となりあって座れると、もっといいんだけどね…」
リサは残念そうな表情でベッドに腰掛けた。
「わたしたちは4等級囚だから贅沢言わないの。級があがったら許可されるって聞いたよ」
だいたいわたしは何もない床の上に体育座り状態。
かなり不満だがそれも仕方ないだろう。

「うん……そだね」
リサはコクリと頷き、続けた。
「このまえはお姉ちゃんが病気になっちゃって、一緒になれなかったよね。あたし
 さびしかったよ。せっかくもっと仲良くなれるチャンスだと思ったのに」
ぷくっと頬をふくらませる就寝衣姿のリサ。
同時に鎖に繋がれた手足をじたばたさせている。
この囚人服は、リサに言わせると「いちばんマシ」な服なんだそうだ。

そう聞くと、短いスカートでちょっとだけ可愛い…ようにも思えてくるから不思議。
とは言うものの、拘帯のベルトと白いボディスーツのクロッチ部分が見え隠れしている。
当たり前だけれど、彼女もやっぱりわたしと同じ厳重拘禁囚なんだと改めて認識する。
こうして自分以外の就寝衣姿を間近で見るのは初めてだから、珍しい。
わたしはしばらくその姿を見ていた。
うん、これが一番囚人服らしく見えるかも。
そういった意味でも、違う意味でも、確かにこれが一番マシな服だ。

「それはゴメン、本当にあのときは参っちゃったんだ。でも今は大丈夫」
「うん。次の日からはまたオリの中で一緒になったから安心したよ。でもこの前は
 本当に心配で、泣きたくなっちゃったんだから。…はぅ…」
うんうん。
手が届くなら頭の一つでも撫でてやりたいところだ。
最初の印象とは全然違う。
頬をひっぱたいてやりたい、なんて思ったことをちょっと後悔した。
囚人服姿とはいえ、やっぱりこの子は可愛らしい。
本当の妹のように思えてくるから不思議だ。

「ありがと、リサ。…それと、最初に出会っ…」
「それにしてもお姉ちゃんってスゴイね!こうちつけんさ、してもらったんだね!」

…前言撤回。
そして早瀬さん、わたしが出所したら覚悟しておいてください。













リサは本当によく喋る子だった。
わたしはもっぱら聞き役。
でも、こうして年の近い子との会話というのは本当に楽しい。

鉄格子を隔て、お互いたくさんの戒具で拘束されたままの姿ということをのぞけば、
どこにでもあるような平和な風景なんだろう。
こういった時間というのは本当に久しぶりだ。
友達…と呼べる存在に、長らく縁の薄かったわたし。
この状況は特異すぎるかもしれないけれど、リサは間違いなくわたしの大切な友達だ。

「お姉ちゃん…あのね」
一瞬会話が途切れた後。
リサがふとその表情を引き締めた。
あぁ、こんな顔もできるんだ。
「なぁに、急にまじめな顔をして…」
「あたし、ちょっと考えていることがあって…。聞いてもらっていいかな…」
リサはわたしの檻の近くまで寄ってきて、ちょこんと床に座る。
彼女の足枷の鎖が、ジャラリと音を立てた。

「あたし、お姉ちゃんみたいに、あたまが良くなりたいんだ」
「どうしたの?急に」
そうか、一応わたしに一目置いてくれているんだ。よしよし。
リサは続けた。
「ここを出たら、がんばってお勉強して、今度は絶対に失敗したくない」
…詳しい事情は知らないし、聞いてはいけないことになっている。
だけど、このリサの言葉には何か強い決意のようなものを感じる。
リサの刑期は確か2年半と聞いた。
出所してもまだ十分にやり直しができる年齢だ。

「そう…。えらいね、リサは。」
わたしは素直に感心し、褒めてやる。
そして、少しだけ嫉妬する。
その気持ちが少し態度と言葉尻に出たかもしれない。
わたしの刑期はあと7年も残されているから。
「ご、ごめんね、お姉ちゃん。でもきっとお姉ちゃんだって…うんとがんばれば早く
 ここから出られると思うよ。葛城さんから聞いたの。”もはんしゅう”っていうのに
 なれれば”かりしゃくほう”がもらえるかもしれないって」

リサは必死に取り繕っていた。
あぁ、ごめん、今のはわたしが悪かった。
「ううん気を遣わなくてもいいよ。ゴメンね。リサの刑期が短いのは事実だもの。それに
 あなたがそんな風に考えているなんて、驚いた」
リサは軽く舌を出す。
「昨日、妹から手紙が届いたの。わたしよりももっとバカだから、間違いだらけの
 きったない字だったけど…でも…」

手紙か…。
わたしには縁のない話だけど…。
それはもう態度には出さないようにしなくちゃ。
「リナは、早くお姉ちゃんに会いたい…って。また一緒にくらしたいって…」
「そう…。じゃあ、あなたも頑張らなくちゃね…?」
「うん。だからわたし、ここで早瀬さんや葛城さんの言うこと、きちんと聞くよ。 
 それに、観月さんにも昨日はああやって言えたしね。」
…あのときの観月さんの様子を思い出す。

驚いた表情。
そして「ゆっくりと休むがいい…」なんて言葉。
予想以上の反応にわたしもびっくりだ。
明日以降の観月さんの立ち振る舞いにどんな影響が出るのか、気がかりなところではある。
まぁ期待はしないけれど、ひょっとすると、ちょっとだけ萌えられちゃっていたりして。
…観月さんに限って、そんなバカな話なんてないか。
やれやれ。わたしもこの前から少し変。

「少しでも早く”かりしゃくほう”されたいから、あたし、がんばる…」
そしてリサは、お姉ちゃんもね、と付け足した。
ありがと。
優しいね。
うん、わたしも同じ気持ち。


それにしても、妹からの手紙は相当堪えたのだろう。
すっかりリサは悄気てしまっている。
「…こんな姿なんて、絶対見せられないよね…」
「わかる。その通りだね…ほんと」
全く同感。
この就寝衣はまだしも、懲罰衣や緊身衣はそれだけで放送コードにも引っかかりそう。

全身モザイク状態だろう。
そういえば、懲罰を受けているときに一度だけ撮影をされたことがあった。
午後の”調教”の時間。
最初の2~3日は、4等級囚はわたしとリサ以外にもう一人いて、
その囚人をメインに、葛城さんがビデオを回していた。
最初から別の檻で待機させられていて、革の全頭マスクをかぶされていたから
どんな人物かはわからない。

わたしも映されちゃうかも…
って気が気ではなかったけれど、葛城さんはこっちには来なかったみたい。
すっかり忘れていたけれど、そんなこともあったっけ。
ちょっと聞いてみよう。
「リサは覚えている?最初の頃、別の檻の中に居た人のこと」
「覚えているよ。でもその人とはあまり近づけなかったよね。お姉ちゃんみたいに
 その人とも友達になれたらよかったのにな」


「撮影されていたのにも気づいた?」
「えええ、それ、あたし知らないっ。え、ええ、それってテレビとかに出ちゃうの??」
「わからないけど…」
「それとも、ネットに流れちゃうの??…はぁぅぅぅ、そんなのイヤだよぅ…」

リサは動揺していた。
妹のこともあって、かなりナーバスになっているんだろう。
まずかったかな。
「でも大丈夫だと思うよ、撮影されていたのはわたしたちじゃなかったから…」
とりあえず安心させてあげよう。

ガチャリ。
唐突に独房の扉が開いた。
「はい、定時チェックの時間です」
安息日モードの早瀬さんの登場。
「あなたたち、謎の囚人さんのことが気になっていたみたいですね」
早瀬さんは簡単にわたしたちの戒具を点検しながら言った。
あぁ…聞こえていたんですね。
もうこれぐらいのことでは驚かない。

「あの人は本当の囚人じゃなくて、ここでの拘禁生活を体験しているレポーターなんです」
…なんだそれ。
物好きな人もいるものだ。
「はぁぅ…、そうなんですか。なんだかすごいです…」
リサは素直に感心しているみたいだ。
自分が撮影対象ではないと知り、少し安堵の表情を浮かべている。
「最初は刑務官に変装したり、囚人にインタビューしたりしていたみたいですけれど…
 いつの間にか囚人服に着替えちゃっていましたね。ぴしっと」

あぅあぅ…ちょっとそれはどうなんだろう。
進んでこんな生活の体験なんてのを望んじゃうなんて…
悪いけれど、その人ってきっと変態さんに違いない。
わたしだったら大金を積まれてもゴメンだけれど。
…でも今日のような安息日だけというのなら、それもいいかも…

…って!
何考えているのッ、わたし。

「彼女がレポートするのは今回が2回目ですね。最初の取材VTRはもうずいぶん前に
 放送されたかと思うけれど」

そうだ…、思い出した。
わたしもあの番組は見た記憶がある。
確か事件を起こすちょっと前。
ある報道番組で特集が組まれた、女子刑務所の紹介コーナーだった。
あのときは、まさか自分が”こっち側”に入っちゃうなんて、思わなかったな。

「あっ、あたしそれ見たことある…!」
あんたもか。
アニメしか見ないような顔をしているくせに、意外と硬派なのかな。
「あのレポーターの人がここにいるのですかッ??」
「そうです。藤村アスミさん。いろんな等級の処遇を体験するって、頑張っていますよ」

…。
本当に世間は広い。
いろいろな人がいるものだ。
あの人が囚人体験を終えたら、ここの厳重拘禁の実態がかなり詳しく放送されるのだろう。
残念ながら、今回の放送は見られそうにないけれど…。
でも、きっと反響はものすごいことになりそう。
さっきもふと思ったけれど、絶対放送コードに引っかかりまくる。

全裸での緊縛。
管理プラグ。
緊身衣。
…モザイクがかけられまくりの映像になっちゃうのかな。
きっと”2チャンネル”とかで、いっぱい実況されちゃうんだ。
うぅ…。
屈辱的です…。

「ひょっとすると、アスミさんからのインタビューもあるかもしれませんね」
なにその超展開。
とりあえず、今のこの姿が全国に流されるのだけは本当に勘弁してくださいッ…。
早瀬さんは意味深な笑みを浮かべてつつ、再び扉を閉めた。
「ど、どうしよう、はぅ…お姉ちゃん…」
リサはまたすっかり動揺モードに戻っている。
忙しい子だ。

確か以前の放送でも、少女囚への突撃レポートが放送されていたはず。
その矛先?がわたしたちに向くことも考えなくてはならないかもしれない。
まったくお騒がせなレポーターだ…。
そうだ、そうなったら逆に質問しちゃおうかな。
あなたは、囚人服の女の子に萌えちゃう変態なの?って…。

…あぁ、でもそれって愚問かも。
進んで囚人服を身に纏い、懲罰体験もしちゃうくらいだから…。
聞くまでもない…か。
恐るべし、藤村アスミ。
姿を見せなくなってから、一週間ほどが経つ。
今は一体どこでどんなふうに過ごしているんだろう。
わたし以外にも、知りたい人はきっとたくさんいるだろうな…。

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