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厳重拘禁囚 鮎川壬姫24 4等級棟安息日 巽リサ将来の夢編

24

その後しばらくの間、わたしたちは鉄格子を挟み、無言のまま向かい合っていた。
…そりゃあ、まぁ、当たり前かも。
リサは頬を赤く染めて、軽く目を閉じ、うっとりとした表情のままだ。
あぁ、あなたも良かったんだね…。

うぅ…それにしてもわたしは恥ずかしくってリサの顔をまともに見続けられない…。
安息日には必要ではない肛膣検査を、1日に2度も。
しかも今回はよりにもよって、リサの目の前で。
おまけに…自ら希望なんかして。
…。
はぁ…。

早瀬さんは、わたしの拘帯を外すや否や、
「これは大変なことになりましたね」
なんて大袈裟に言うものだから、リサなんかもう涙目になっちゃって。
よくわからないまま「お姉ちゃんを許してあげて」とかなんとか言って泣き出すし、
わたしはわたしで”自慰未遂”とかいう規律違反と見なされて…。
結局明日の午前中の懲罰は、ひとつよけいな刑具が着けられることを命じられてしまって。
うぅ…何というカオスな安息日。
絶対これも早瀬さんの描いたシナリオだ。
案外観月さん以上に、こんな羞恥責めの研究には余念がないのかもしれない。

…一応リサは、上手い具合に勘違いをしてくれているようだった。
「自分から”きりついはん”を正直にお話しできるお姉ちゃんってえらいです…」
と、しきりに感心している。
おまけに「”じいみすい”って何ですか?」って早瀬さんに質問しちゃうし。
聞くなってば。
「誰にでも起こる仕方のないことですよ」と実に大人な回答をしてもらって助かる。

リサは「じゃぁお姉ちゃんは悪いことをしたわけじゃないんですね」なんて言いながら
ほっとした顔を浮かべていた。

けれど、わたしはあなたの様子を見て激しく感じてしまったのが真実。

…どうみても変態です。本当にありがとうございました。




「ねえ、お姉ちゃん…?」
沈黙に耐えかねたのか、リサが明るい声で話しかけてくる。
わたしもいつまでもこうしていられない、か。
「なに?」
うん、普通に返事ができた。わたしも役者かな。
「早瀬さんのこと、お姉ちゃんはどう思う?」
うーん、難しい問題だ。
とりあえず、よくある無慈悲な”鬼看守”とかそういう極端なタイプではないし、
むしろわたしたちは気に入られている方だと思う。

首を傾げて上手い返答を考えていると、リサが続けた。
「あたし…、なんだか早瀬さんのこと好き。…あぁぁ、変な意味じゃないよ」
あの直後だからリサのフォローはどうも慌ただしい。
手錠のままの両手をぶんぶん振り、そしてまた痛がる。
すぐ忘れちゃうんだから…。
「うん、わかる。わたしもそうだから。前の刑務所にいた刑務官とは全然違うんだ」
これは本当。
早瀬さんはわたしのことを、刑務官という立場ではあるけれど、
あそこの人たちよりも、ずっとずっと大切に扱ってくれている。
…もっとも”大切に”と言うと若干の違和感を覚えるが、この際はスルーだ。


「だから、あたし、ここを出たら早瀬さんみたいな”けいむかん”になりたいなって」
わぁお。
そう来たか。
いろんなフラグを立てまくる子だ。
…っていうか、早瀬さんは、たぶんリサが考えている以上にかなり優秀な人だよ。
そもそも、こんな刑罰を受けた経歴の持ち主が、そうやすやすと刑務官になれるのかな?
まずはきちんと学校を出て、試験を受けて…研修を積んで…。
そう、あんなに若い早瀬さんや葛城さんがここの刑務官になれるなんて、
相当な努力や研修を重ねてのことだろう。
…まぁ、いろんな疑問はさておき、とりあえずここはうんうんと頷いておくことにする。


「もしそうなったら、リサもここで働きたいな。きっとお姉ちゃんは…」
そう言うとリサは慌てて口をつぐむ。
はぁ。なんてわかりやすいんだろう。
別にいいよ、気にしないから。
「…わたしより長くここにいるから、また会えるかも、でしょ?」
「は、はぅぅ~」
ぶんぶんと顔を振るリサ。
今度は手錠は振らない。
一応学習しているみたいだ…ってさっきは思ったんだけど。どうだろう、この子は

「ふ~ん。そんな風に考えていたんだ。そしたらわたしがリサにいろんなコト
 されちゃうんだね。肛膣検査とか、緊縛とか、懲罰とか…」
ちょっと意地悪してみる。
すぐに涙目になっちゃうから面白い。
「はぅぅ、ちがうよ~。ただ、格好いいなって…思っただけだもん」

黒革のロングブーツ。
脚を引き締める艶めかしい黒ストッキング。
胸元が強調される、かちっとした制服。
威圧感のある制帽に腕章。
装備品の手錠や捕縄、そして革の鞭。
確かにわかりやすい姿だ。
わたしはそれらを身に纏った凛々しいリサを、一瞬想像した。

…。
……。
………。
ぶんぶんぶん。
ちょっと勘弁です。ちっとも萌えません。
いや、そうじゃなくて。
…。

…。
あなたにはどう考えても、自分で考案した”メイド囚人服”がお似合い。
大きめカチューシャに黒いミニのワンピース。
フリルで飾られた純白のエプロンに、肘までのびるサテン製の手袋。
そして踵の高いストラップシューズには、これまた純白のオーバーニー。
でもしっかりと嵌められた囚人の証である革の首輪には、長く冷たい鎖。
手錠に足枷。貞操帯までつけられて。
ご主人様である刑務官の皆様には、その全身を使っての丁寧なご奉仕を…

そんなことになったなら、絶対に大きなお兄さんたちが萌え萌え…。
わたしも萌え萌え…。

…って!! いや、だからそうじゃなくって…。
…。
…。
ぁぁぁ、なんて馬鹿なわたし…うぅ…。

「お姉ちゃん、お姉ちゃん…!」
リサの呼びかけでふと我に返る。
「あ、ゴメン…。ちょっと考えることがあって…」
頭の中に消しゴムが欲しいところだ。あいにくわたしは持っていないけれど。
どうにもこうにも、萌え囚人服姿のリサが浮かんでしまう。
もっともわたしたちのような女の子が牢屋の中で捕らわれていること自体、そういった
対象として捉える大きなお兄さんたちも、きっと少なからずいることだろう。
…何となくそんな気がする。
自ら望んで囚人体験をしちゃうレポーターもいるくらいだから。
あ、あの人は女性だったっけ…。もう、何がなんだか…。

「だれかとお話しでもしていたの?全然あたしの声が聞こえてなかったみたい。はぅ…」
リサはつまらなそうに両足をぱたぱたさせていた。
足枷の鎖がリズムよく揺れ、冷たい床を打ち付けている。
「ホントにゴメンね。せっかくの安息日なのに」
「ううん、いいよ。お姉ちゃんと一緒にいるだけでもうれしいもん」
なんていい子。
こんな状況でなかったなら、誰かのように速攻お持ち帰りぃしちゃうところだ。

「あぁ、はやく自由に歩けるようになりたいな…」
ポツリと発せられる、寂しげで、実感の籠もったリサの言葉。
全くその通り。
厳重拘禁処遇とされてから、私たちの身体の自由は基本的にあらゆる時間において
厳しく管理され、拘束されているのだから。
「そうだね。でもリサはもうちょっとの我慢だと思うよ。わたしはここで待ってるからね、
 リサのこと」

半分冗談だけれど、もちろん囚人として戻ってくるという意味ではないと付け加える。
「は、はぅ~。まだお姉ちゃんさっきの話…」
顔が真っ赤で、そしてやっぱり涙目。
そろそろ可哀想だからこのぐらいにしておこう。
わたしもこれ以上変な想像はしたくない。
夢に見ちゃうから。

「そういえば…もうそろそろ、リサと一緒の時間も終わりかな…」
鉄格子の嵌った高窓から差し込む光が、その力を弱めてきている。
安息日の同居処遇は、確か午後の4時まで。
この中では正確に判らないが、もうその時刻は迫っている頃だろう。

「そだね…。今日は嬉しかった。ありがと、お姉ちゃん。…あ、でもね…?」
「うん?」
「お姉ちゃんは先週はいなかったけれど、今日はこの後おフロに入れてもらえるんだよ」
初耳だ。
そう言えば、ここに来てからシャワーで身体を洗い流されることはあっても、
入浴という行為そのものは未経験だ。
「おんなじ”とうきゅう”どうしで入ることになっているの。先週はあたし一人で
 とってもイヤだったけど…、今日は一緒だよね。だからそれが楽しみ」

一人でイヤだったという言葉がやや引っかかるけれど、入浴できるのは確かに有り難い。
それも同じ等級同士…つまりリサとともに、というわけだ。
「よかった、じゃぁ、もうちょっとだけ一緒なんだね」
「うん、お姉ちゃん」
にっこりと微笑むリサ。
本当にこの子は変わってきた。
最初の頃の怯えきった表情、虚ろな目、そういったものは影を潜めている。

…入所の日。
観月さんに詰め寄られたところを庇ってあげたことを思い出す。
結果として、わたしはかなり痛い目にもあったけれど、
そのことが今に繋がっているんだ。
今のわたしは、唯一同じ4等級囚仲間として、そして一人の友人として、彼女のことを
大切に思っている。

こんな囚人服は早く脱ぎ捨てて、一緒にどこかステキな場所を仲良く歩いてみたい…
そんな儚い想像をしてしまう。
リサの刑期はわたしよりもずっと短いんだ。
あなたはいろいろな未来を拓くことができるよ、きっと。

もちろんその一つの可能性として、この場所に”刑務官リサ”として戻ってくることも…



ぶんぶんぶんぶん。

それはないか。
もういい加減この想像からは離れよう。
うん。







リサとの雑居処遇が終わる。
わたしは檻から出され、普段の”居住スペース”へ、リサは自分の独房へと戻されることとなった。
「1時間後にお待ちかねの入浴ですから、また会えますよ。それまで第1姿勢維持で
 待機していなさい」
早瀬さんはそう言い残し、リサに捕縄をかけて連れ出した。

早瀬さんはそう言い残し、リサに捕縄をかけて連れ出した。
どうやらリサの話は本当だったらしい。
名残惜しそうに後ろを振り返るリサ。

ガチャ…ン。
その姿は重厚な獄扉が閉じられる音とともに、視界から消える。
また、一人の時間。
静寂に包まれる独房。






リサが居なくなったというだけで、なんなんだろう。
この苦しさ。
この辛さ。
火が消えたよう、との表現がこれほどまでにも当てはまる状況はないだろう。
さっきまで不思議と感じなかった、手錠や足枷の存在。
でも今はずっしりと、重い。


わたしは…次第に視界が霞んでいくのを感じていた。

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