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厳重拘禁囚 鮎川壬姫編4 刑務官視点



きつい任務だった。
初めての囚人護送。しかも、厳重拘禁囚。

ようやく彼女たちを航空機から降ろし、護送車両に収容するところまで終えることができた。
あとは刑務所まで数時間。
扱う囚人は全員が少女だとはいえ、それなりの罪を犯し、厳重拘禁に処されている連中だ。
何が起こるかわからない。
その戒護にあたっては、細心の注意を常に払わなければならなかった。
研修を終え、配属されたばかりでの大仕事。
経験豊かな先輩が同行しているけれど、囚人に直接命令するのは私の業務とされた。
…まぁ、幾分か度胸はついたと思う。

「ふぅ…」
私は深いため息をつく。
「ご苦労様、…といいたいところだけど、まだ終わっていないのよ、気を抜かないで」
間髪を入れずに先輩刑務官に叱られる。
スミマセン。
まだまだ甘いな。私も。

最近新設された厳重拘禁囚専用の刑務所。
厳重拘禁は、年齢の若い女囚に限定されて執行される処遇。
最近の厳罰化の流れの一環として設定されたものだった。
勿論素行の良い囚人は、開放的な処遇の施設に送られることだろう。
でも私としては、いかなる囚人に対しても一切の甘えと自由を許さない、
そういう処遇が一番適切じゃないかと考える。
解放処遇などもってのほかだ。
この刑務所に配属を希望したのも、それが大きな理由だった。


この試みは非常に関心が高いらしく、マスメディアの取材も多かった。
少女囚達の、あまりに過酷な拘禁生活は衝撃的に報じられた。
もちろん多少の批判もあったが、大方は好意的に受け入れられたようだ。
今もまだ取材中だという。
聞かされた話によると、比較的有名なTVレポーターの女性が
ここでの生活を継続的に体験レポートするらしい。
本当の囚人と同じように扱われることを自ら望んで、現在も収容中だそうだ。
物好きな人もいるものだと感心するが、私ならきっと耐えられそうにない

だって…

ふと後ろを振り返る。
強化ガラス越しに見える、ずらりと並んだ檻の中には、4名もの少女囚がいた。
彼女たちの全身を覆う緊身衣。
手枷に足枷。防声具。
…それだけではない。
胸につけられた鎖には識別票が揺れている。
そして管理プラグの挿入。
彼女たちの姿は、言い表しようのないほど、哀れで恥辱的だった。

「もっと暴れたり騒いだりする子がいると思いましたが…
管理プラグのおかげで、みんな大人しいですね…」

私は率直な感想をぽつりと漏らした。
物足りない、わけではないけれど。
大反乱、大暴動。大脱走。
よくある囚人映画のような修羅場をも覚悟していただけに、拍子抜けかも。
…っていうか何を考えているんだ私。相手は少女囚なんだってば。

「たいした発明よね。ホント自分が入れられるのは勘弁してほしいわ」
先輩が肩をすくめる。
私は軽く相づちを打つ。まったくその通りだ。

私の目の前にあるモニターには、彼女たちの様子が映し出されている。
プラグを挿入中の囚人達の脈拍、体温、膣圧がすべて数値化されていた。
また、位置把握機能のついたカメラによる行動監視機能も備えられている。
囚人が許容範囲を超えた挙動をとると、膣具が作動する設定になっているのだ。

あ、
たった今、A01の囚人のプラグが作動したようだ。


囚人 A01 に対し 懲罰を執行中です
作動理由:姿勢違反
作動時間:80秒
作動強度:L5(最強)
作動回数:08回目

警報音とともに点滅しながら次々と画面に現れる情報。
ちなみに管理区域内の音声はこちら側ですべて聞くことができる。
悲しげなA01の喘ぎ声。
…たしか彼女は一番最初の施設から移送された少女囚。
記念すべき私の初仕事のお相手さまだ。
だからというわけではないが、彼女に対しては正直ちょっと特別な思いもある。
本来ならしてはいけないことだし、きっと見つかったら先輩から怒られるかもしれないけれど、
彼女の涙を拭ってあげたこともあった。
きれいな顔の少女だった。
名前は…そう、ミキといったっけ。

ミキの苦悶の表情と、スピーカー越しに聞こえる断続的な喘ぎ声。
やはりどうしても心が痛む。

だけど、彼女は厳重拘禁囚。
刑務官である私が、特別な感情を持つことは許されない。

警報音が鳴りやんだ。
スッと、画面表示がブルーに切り替わる。

囚人 A01 に対し 懲罰を執行しました
次回の作動時間と 作動強度を 設定してください

懲罰回数に応じて、時間も強度も1段階ずつ上がっていくのがデフォルトだった。
もう8回目なので、作動強度は最高レベルに到達している。
作動時間の欄には90という数値。
…ごめんね。
私は、そのままOKのキーを押した。

空港を出発してから2時間余り。
護送車はようやく刑務所の見える場所まで辿り着いた。
月片女子刑務所、厳重拘禁棟。
北海道の地方都市の郊外に設立された、最新の管理体制を誇る施設だ。
周りの長閑な風景の中に突如として現れた12階建ての高層建築。
暗褐色に塗り固められた外壁には、鉄格子の填め込まれた小窓が散見できる。
5mはあろうかという高い塀の上には、複雑に張り巡らされた鉄条網。
「嘆きの塔」なんて呼ばれているとかいないとか。

確かにこの外観は威圧的で絶望的だった。
これぞ刑務所。いや「監獄」といった方がしっくりくるかもしれない。
ここで勤務を初めてまだ日が浅いが、本当に良くできた施設だと感動する。
刑務官としての業務をこのような場所で行えることは理想的だった。

1階は主に私たちが主に業務を行うスペース。
事務室や詰め所などが置かれている。
新入検査房や、囚人シャワー室、懲罰房などもこの階だ。
また一般懲役女囚の監房も備えられている。
ここで雑役を行うために数名の女囚が派遣されてきているためだ。

2階は講堂や囚人用運動場となっている。
そして3階より上が厳重拘禁囚用の独房フロアとなっている。
1フロアでの収容定員は8名。つまり独房が8つ。
12階までとなっているので計80名もの囚人を収容できる構造だ。


もっともまだ全部のフロアが埋まったわけではない。
今日新たに加わる4名を含めても、まだ半分にも満たない状況だ。
それだけの少人数を私たち十数名の刑務官で管理することとなる。
自分で言うのも何だけれど、この刑務所に勤務する刑務官はみな優秀だ。
いずれも全国の矯正施設で実績を上げ、大変な競争率を勝ち進んだやり手ばかり。
もちろん大変な仕事だけれど、今までとは比較にならないほど高額な報酬もいただける。

何がどう間違ったのかはわからないけれど、なぜか私もここにいる。
若年層採用枠というヤツらしい。
同期はあともう1人だけ。
収容者が皆20代以下の若い囚人ということで、私たちのような存在も必要なんだろう。

護送車が施設内の幾重ものゲートをくぐり、
後部ドアが出入り口にピタリと合わせるようにして停止した。
私は、スッと大きく息を吸い込む。
「移送囚4名、出ます!」
まだ昼間だというのに薄暗い場所だったが、私の声と同時に一斉に照明が点される。
とりあえず私の役目は一旦ここまで。
丸二日もの連続的な業務は、さすがに体力的にもきつい。
だけど、今日の夜からは久しぶりの休日だ。

待機していた数名の先輩刑務官達が手際よく作業にはいった。
目の前から弱々しい足取りで次々と少女囚が引き立てられていく。

彼女たちのか細い脚を縛める鉄枷。
結わえ付けられた鎖と、保護ブーツの踵が金属の護送車の床に擦れ、不快な音を立てる。
恥ずかしくとも、隠すことを許されない乳房が小刻みに揺れる。
ベルトで固定され深々と挿入されたままの管理プラグから、大腿部に流れる粘液が光る。
度重なる「懲罰」において、その喘ぎ声を強制的に抑えていた彼女らの防声具からは、
透明な涎が滴り落ち、金属の床に点々とその痕を残していた。
何処か諦めたような表情の子。放心状態の子。
程度の違いこそあるが、どの少女囚も明らかに疲れ切っている。
しかしこれからの彼女たちには、新入検査房でのさらなる厳しい調べが待っているのだ。

私にはきちんと休日が与えられる。
好きな服を着て、美味しいものを食べ、どこへ行くのも自由だ。
だけど彼女たちは一切の自由を奪われた存在。
私にとっては当たり前の日常だけど、彼女らには望むことすら許されないこと。
…実際にあのような姿を目の当たりにするのは、何度経験しても、辛い。
あの子達にも、きっとそれなりに幸せな過去があったのだ、と思う。

私は彼女たちの座っていた、鉄檻の中の座席に目を下ろした。
鈍く光るステンレスの座面に、べっとりと広がる粘液。
檻の中には咽せるような、革と汗の混じった臭いがまだ残る。
彼女たちは何を考え、何を思い浮かべながら
この劣悪な環境の護送車に揺られていたのだろうか。

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