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厳重拘禁囚 鮎川壬姫7 3つの拘束衣説明後就寝編



「今日はもう時間が遅いので、そのまま就寝衣を着てもらうから」
後ろ手錠はそのまま、床に繋がれていた足枷の鎖だけが外された。
再び厳格な刑務官の顔に戻った早瀬さんは、そのまま私を監房の外に連れ出した。
長い回廊をゆっくりと歩かされる。
この厳重拘禁棟も、私たち囚人の歩く場所と刑務官の歩く場所は明確に分離されていた。
もちろん私たちに許されたのはクリーム色のリノリウム材に覆われた床。
暑い季節とはいえ、一歩進むごとにその冷たい感触が裸足に伝わる。
一方早瀬さんは、敷き詰められたブルーのカーペット上をブーツで歩く。
改めて厳重拘禁囚の立場を思い知る。
こんな細かいところまで全く抜かりがないのは素直に感心してしまう。
「あなたは先ほどの説明は覚えてないと言ったね。あの『心得』にも書いてあるけれど
ここの囚人服の項目だけは結構複雑だから、今のうちに説明しておく」
囚人用シャワー室の脱衣所に着くなり、
早瀬さんは私の後ろ手錠を壁の鎖に結わえ付けながら言った。
「ここでの囚人服は基本的に3種類。
そのときに応じたものを身に着ける決まりとなっている。それぞれの詳細は…」

ある程度は覚悟していたけれど、やはりここでの衣服は今まで収容されていた施設のものとは
大きく形態が異なっていた。

まずその基本的な3種類とは、
『緊身衣』
『懲罰衣』
『就寝衣』
というものらしい。
緊身衣については、もうすでにお世話になっている。
身体にピッタリと密着し、爪先から指先まで覆い尽くす革製のもの。
移送のときや、厳重戒護区域を外れる屋外での作業時がこれ。
最も厳しい拘束状態が必要とされるときに着せられる囚人服だ。
保護ブーツも同時に履かされ、もちろん管理プラグつき。

就寝衣とは、これから私が着せられることになるもので、
文字通り、就寝時のみに着ることの許される最も拘束力の軽い服。
先ほど他の少女囚達が着せられていた、グレーのワンピース状の服がそれだという。
管理プラグの挿入が免除されるのも、これを着ているときだけ。
ただし「拘帯」という戒具がその代わりに股部分に装着されるそうだ。
結局、寝ているときにもそれなりの拘束状態は継続。ということらしい。

のこりの懲罰衣とは、日中の間に着用が義務づけられる囚人服。
その名から、意味あいとしては懲罰中に着せられるものだけれど、
もちろんここでの「懲罰」とは、問題を起こした場合の処遇をさすのではない。
私たちは、厳重拘禁という恒常的な懲罰を執行され続けているという立場の囚人。
つまり懲罰衣が、事実上基本的な囚人服となるそうだ。
管理プラグがセットされる構造ということも告げられた。

基本の3種類以外にも、状況に応じて別の衣服も備えられているらしい。
今までわたしが施されていた黒縄での緊縛も、その一つという。
もっとも…あれは衣服などと呼べるものではなかったけれど。
話を聞くと、私たちはまるで囚人服専用の着せ替え人形だ。

「懲罰衣については、ここで説明するよりも、明日実際に着てみるのが早いでしょう」
早瀬さんは説明を打ち切ると、わたしの手錠を外し、シャワーを浴びるように促した。
はっきり言って気になるが、仕方ない。
明日になればわかるとのことだから。

わたしに許された時間は僅か3分。
…シャワー室すらも檻の中だ。
施錠を確認されたあと、微妙にぬるい湯が勢いよく噴き出す。
わたしは、ようやく今までの身体の汚れを落とすことができた。


「時間。出なさい」
早瀬さんの声と同時にシャワーが止まる。
ごく簡単に身体と髪を拭きあげた段階で、肛膣検査。
だけど、今回は軽く触られただけで済んだ。
「はい、OK」
パンパン、と早瀬さんが素早く手を振り払う。
今回だけね、と念押しされたけれど。

それが終わると、やっと「就寝衣」が手渡された。
何の飾り気もない、白いショーツ。
同じく白色で、柔らかいカップの付いたボディスーツ。
下着はこの2つだった。どちらも「囚人用」とありがたいプリントが施されている。


最初にショーツを穿くように指示される。
思ったより穿き心地は悪くないが、前面にプリントされた赤文字に泣けてくる。
そしてボディスーツを足元から引き上げて、ゆっくり身に着ける。
本当に久しぶりに、乳房を覆い隠すことができたような気がする。
そんなごく当たり前のことに感動してしまった。

クロッチ部分のホックは、自分ではさせてもらない。
保安上の規則だからということで、早瀬さんが確認の上ぴっちりと噛み合わせた。
その後、革製のT字状の帯で封印がされる。
「この戒具が『拘帯』ね。もちろんあなた自身では外せないから、
どうしても排泄がしたい場合には、夜間の巡回刑務官に申し出なさい」

そしてグレーのワンピースを頭からかぶる。
粗い肌触り。期待通りの着心地だった。
そしてその丈は、はっきり言って短い。
座ったら、ほぼ「丸見え」だ。
管理者側からすると確かに都合がよいのだろう。

次にウェスト部分を、可愛げのない無骨な茶色い革ベルトで締められる。
可愛くないのは、そのベルトに鈍く光る金属の手錠が繋がれているせいもある。
前手錠にするか、両脇に固定するかを選ぶことができるという、嬉しいオプション付き。

「ここでは『前』が人気だけど」

早瀬さんの一言。オススメに素直に従った。
続けて足枷を掛けられ、腰のベルトに鎖で連結された。
最後に布靴を履かされる。底が薄く微妙にゴム臭い。
これは以前の刑務所と似たようなものだった。
…まぁ裸足で歩かされるよりは幾分マシかな、とも思う。

「今日はこのあと房に戻って食事、後は就寝ね」
わたしの腰に巻かれた尻尾のような捕縄を、早瀬さんは二重に手に巻いた。
「じゃあ戻るよ。歩いて」
早瀬さんの命令。
わたしは再び長い回廊の「囚人ロード」をぺたぺた進む。
その先に待つわたしの「部屋」は、鉄格子に囲まれた狭い狭い独房だ。
もちろん足取りは重たいことこの上ない。
途中、先に戻されていた少女囚たちの注目を浴びる。
食事も先に済ませていたのだろう。彼女たちは全員、革の防声具が施されていた。

独房内で捕縄が外される。
「このようなものしか用意できませんが、どうぞ」
早瀬さんがステンレスのトレーにのせられた銀パックを差し出した。
瞬間お互いに見つめ合い、互いに苦笑する。
おそらく早瀬さん自身もコレの凄さを知っているんだろう。
片手だけ一旦手錠を外してもらい、ためらいつつもそれを手に取った。
正直にいうと、空腹感はかなりのものだった。
わたしは意を決し、口を付けると、思いっきりそれを握りつぶした。
味気ない、もとい激しく不味い囚人食を、ものの数十秒で胃に流し込む。
後味が最悪だ。

すぐさまコップ一杯の水で十分に口を濯ぎ、排泄孔に吐き捨てた。
「エライ、エライ。残さなかった」
早瀬さんがわたしの肩をたたく。
嬉しいのか嬉しくないのかよくわからない。
「ごめんね。さ、口開けて」
早瀬さんは、トレーを床の差し入れ口から外に滑らせるように出す。
片手には、もう革の防声具が握られていた。

「ン…、ぅ…ッ」
口の中に深く挿し込まれた装具。
微調整をされつつ、ベルトを後頭部で締め上げられて固定される。
じんわりと広がる苦い味と革の臭いが、相変わらず不快感抜群だった。
声を出す理由もないので、こんなものを噛まされる必要性は全く感じないけれど
やはりこれも厳粛な空間を守るための規則だからなのだろう。
沈黙の夜の始まりだ。

早瀬さんが最終的な戒具のチェックを素早く行う。
片手錠もここまで。
「…異常なし。じゃあ明日からまた頑張ってね」
黒革に覆われたわたしの頬を数回撫でて、早瀬さんは立ち上がった。
独房の扉が閉められ、施錠される。
「収容完了ーッ!」
「「完了ーッ!」」
早瀬さんを含め、複数の刑務官の声が検査房のフロア全体に響き渡る。

「減光まで5分。各自就寝準備せよ!」
ここでは「消灯」ではなく「減光」が就寝の合図だった。
その照明は天井に埋め込まれ、頑丈な金網入りの強化ガラスに覆われている。
人工的で冷ややかな光だ。
監視カメラでの保安管理上、監房内は常に一定の光量以上で照らされたまま。
プライバシー保護などという概念は、残念ながらここには存在しない。

静まりかえる無機質な空間の中、わたしはゴムシーツの寝台に横になる。
独特の臭気と感触。
下に敷かれたマットも、期待を裏切らない固さ。
とてもじゃないが、熟睡などという贅沢はできそうにない。
それでもわたしは、薄い上掛けを不自由な鎖の両手でたぐり寄せてくるまった。
巡回刑務官の足音と、監視カメラの微かな作動音、
そしてわたしを縛る鎖の音だけが耳に届く。

…長い1日がこれでようやく終わる。
でもこれは、
さらに気が遠くなるほど長い厳重拘禁生活の、ほんの始まりにしかすぎない。

照明が切り替わった。
薄暗い青色だ。
まるで深海のよう。
いや、間違いなくここは光の届かない深海のごとく、現実社会から隔絶された厳重拘禁棟。
あまりに悲しすぎるけれど、こうして枷と鎖に繋がれたわたしの居場所は…

もう、ここにしかないんだ。

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